宗弥急行プロジェクト デジタルATC
現在作成中です。
運転士インターフェース
保安装置設計(車上)
通信プロトコル
キーパッドH0 (簡易照査モード)
本保安装置は簡易照査に対応しないため、常に 0 (float)。
キーパッドH1 (保安装置判別ID)
絶対値は常に 2 (float)。ただし、以下で述べるE信号の場合は 0 となる。1 秒以上符号が変化しなかった場合はこのキーパッドの値を 0 と読み替える(アドオンウォッチドッグ)。
キーパッドH2 (保安装置領域1: 停止信号照査)
30ビット整数値とfloat値の変換はTeinishiによる Stormworks 数値信号に30ビット詰め込む話 - メモ置き場 を採用する。各データの詳細な内容については保安アルゴリズムにて述べる。
b29-28 | b27-b25 | b24-b22 | b21-b19 | b18-b16 | b15-b8 | b7-b0 |
---|---|---|---|---|---|---|
信号付加情報 | 信号種別 | 勾配コード | 信号区間識別コード | 次信号区間識別コード | 停止点情報 | 進路長情報 |
キーパッドH3 (保安装置領域2: 速度制限照査)
30ビット整数値とfloat値の変換はTeinishiによる Stormworks 数値信号に30ビット詰め込む話 - メモ置き場 を採用する。各データの詳細な内容については保安アルゴリズムにて述べる。
b29-b25 | b24-b20 | b19-b16 | b15-b8 | b7-b0 |
---|---|---|---|---|
制限速度(上限) | 制限速度(パターン下端) | 合成パターン演算パラメータ | パターン下端速度制限始点情報 | パターン下端速度制限終点情報 |
保安アルゴリズム
積算走行距離計
進路始端からの距離を測るため、速度を時間積分する距離計を設ける。この距離計は0以上の値にクランプされる。
信号区間識別コードが変化したとき、この距離計はリセットされる。それ以外の情報が変化した場合は距離計をリセットしない。
信号連続正当性フラグ
信号区間識別コードが変化したときに変化するフラグ。
- 変化する前の次信号区間識別コードと、変化後の信号区間識別コードの値が一致するとき、フラグが立つ(正当)
- 変化する前の次信号区間識別コードと、変化後の信号区間識別コードの値が一致しないとき、フラグが倒れる(不正)
なお、E信号受信中や、ATC電源切では、信号区間識別コードとして 0 を受信しているものとして取り扱う。E信号が解消した場合や、電源投入時は、0 から実際に受信している値に切り替わったものとして処理する。
勾配コード
当該区間とその前方600m間の平均勾配または、当該区間の最急勾配により決定される。両方を満たす最も緩いコードを使用する。
コード | 平均勾配 | 最急勾配 | パターン |
---|---|---|---|
0 | 5‰未満 | 10‰未満 | 設定値 |
1 | 10‰未満 | 20‰未満 | 減速度 -0.4 km/h/s |
2 | 15‰未満 | 25‰未満 | 減速度 -0.6 km/h/s |
3 | 20‰未満 | 30‰未満 | 減速度 -0.8 km/h/s |
4 | 25‰未満 | 35‰未満 | 減速度 -1.0 km/h/s |
5 | 30‰未満 | 40‰未満 | 減速度 -1.2 km/h/s |
6 | 35‰未満 | 45‰未満 | 減速度 -1.4 km/h/s |
7 | 35‰以上 | 45‰以上 | 線区により指定 |
信号制御アルゴリズム(H2情報)
信号種別に対応する停止パターンを生成し、制御する。停止点情報・進路長情報は、進路始端からの距離で表されるため、照査パターンとの比較には積算走行距離計を使用する。
なお、信号連続正当性フラグが不正となっている場合は、列車・車両の現在位置が常に 進路長情報 × 10 [m] の位置にいるものとみなして照査する。
速度を保った場合に 5 秒後に速度照査パターンに触れる場合、信号現示が×・R・Gの間で変化した場合は現示ベルを鳴動する。それ以外の鳴動タイミングについては追って調整する。
信号種別 | 値 | 備考 |
---|---|---|
E | 0 | ウォッチドッグが失敗の場合もEに読み替える |
A | 1 | 進路始端標識がある区間に使用される |
B | 2 | 進路始端標識がない区間に使用される |
S | 3 | 地上信号式の区間に使用されるため車内に現示しない |
AP | 6 | 高精度制御区間に使用される |
SP | 7 | 地上信号式の高精度制御区間に使用される。車内に現示しない |
細かい動作の違いについては以下の表の通り。
E信号 | A, B, S信号 | AP, SP信号 | |
---|---|---|---|
非常ブレーキパターン | 常時動作 | 停止点情報 × 10 [m] で 0 km/h となる | 停止点情報 [m] で 0 km/h となる |
常用ブレーキパターン | 常時動作 | 非常ブレーキパターンの 10 m 外方で 0 km/h となる | 照査しないことができる |
E信号 | A信号 | B信号 | AP信号 | S, SP信号 | |
---|---|---|---|---|---|
信号現示 | × | 停止点情報 < 進路長情報のときR それ以外G | 照査速度 < 40 km/h のときR それ以外G | R | 車内無現示 |
速度制限制御アルゴリズム(H3情報)
速度制限パターンを生成し、制御する。パターン下端速度制限始点情報と、パターン下端速度制限終点情報は、進路始端からの距離で表されるため、照査パターンとの比較には積算走行距離計を使用する。
なお、信号連続正当性フラグが不正となっている場合は、常に制限速度(パターン下端)で照査する(下端速度の頭打ち制御区間内の照査方法で照査すればよい)。
速度を保った場合に 5 秒後に速度照査パターンに触れる場合、制限速度(パターン下限)の区間から脱出した場合、速度制限(上限)が上位に変化した場合に現示ベルが鳴動する。
合成パターン演算パラメータは現状使用していない。
パターンの生成方法は以下の図の通りとする。
(図は作成中)